fight*girl
飛ばされた春は近くの建物に背中を打って、そのまま倒れ込む。
それを楽しそうに見ていた綺羅は私の隣に移動した。
「やっぱりあいはその方が似合うよ」
「そう?」
「あ、あの天使ある程度やっつけといたから」
「そっか」
ニコニコと笑う綺羅の顔を見て、私もニッコリ笑う。
「ありがとう」
そしてゆっくり綺羅の頬に手を近づける。
後数ミリで触れる―…
「…とでも言うと思ったかボケェ!!!!!」
バキィッ…!!!
「いっ…!!!」
握り拳を作って、思いっきり殴る。
殴った衝撃で綺羅は飛ばされ、瓦礫にぶつかった。
「は?あいちゃん?」
「悪いけど、」
トン、とその場からジャンプして優羽の元へいく。
優羽に握られた私の剣は白く戻っていて、
それを拾い上げて剣を綺羅に向けた。
「あんたの敵はうちやから」
そう告げると綺羅の瞳が再び赤くなる。
「…どうして戻ってきてくれないんだ」
「………?」
「俺はずっとあいを待っていたのに!!!!」
意味深な叫びは空気を震わす。
ビリビリと伝わる振動に負けじと剣を強く握った。
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