fight*girl
「キメラ、あの女を殺すんだ」
綺羅が私を指差しながら微笑む。
その瞬間、黒い炎の柱から何かが飛び出してきた。
…キメラと化した春。
黒い翼が生えて、顔以外は全て鳥。
既に人間ではなくなってしまった。
「一度じゃなくて二度も…!!!」
ギリ、と剣を持つ手に力を込める。
再び鬼神になる前に仕留めなければ…!!!
「優羽、待っててな」
後ろを振り向き、未だに意識がない優羽に声をかける。
そして直ぐにキメラへ向かい合った。
一目散に私を目掛けて飛んでくるキメラ。
「春、ごめん」
もっと早く春を助ければよかった。
そうすれば春だってもっと生きられたはずなのに。
「天界でまた会おな」
もう聞こえるはずのない言葉を放つ。
そして大きくジャンプした。
.