fight*girl
一度目は栄子。
二度目は春。
どちらも私は守れなかった。
戦士なはずなのに、結局は何も出来ない。
「春、うちを許さんといてな」
悲しく笑い、空に飛んだ私はキメラの上に降り立つ。
そして先ほどのキメラ同様に、
首を飛ばした。
ビシャッ…!!!
首から溢れる血は私の全身を濡らす。
そしてそのまま首の無くなったキメラは急降下した。
グシャ…!!!
地面に鈍い音が聞こえる。
それと同時に私も地面に降り立った。
「すごいね、何の躊躇いもなく殺しちゃった」
「…ほっといて」
本当は躊躇した。
けど栄子の時で知ってしまったんだ。
…すぐに息を止めたほうが楽になるって。
それは相手も、私も。
「じゃあ俺が相手するしかない、か」
「……………」
先ほどよりは落ち着いた感じの綺羅だが、殺気は全然消えていない。
そしてゆっくりと私に剣を向けた。
…来る。
冷や汗が頬を伝う。
「やっぱやめた」
「へ?」
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