fight*girl
私の気の抜けた声など気にせずに、綺羅は剣を魔法陣に取り込む。
…いやいやいや、おかしいでしょって。
「あんた何考えてんの?」
「俺だって戦いたいんだけどさぁ、命令きちゃった」
「誰から?」
「魔王」
魔王、ということは魔界の最高地位…。
でもなんでいきなり?
「あーあ、頭に血が昇ってキメラ二体出しちゃった」
「あ…そういえば」
春とさっきのキメラで二体。
と、いうことは…
「よかったね、これで天界に行けるじゃん」
「え?」
「…まぁチャンスかも」
そう言う綺羅の顔は楽しそうに笑っている。
…普通天界のシールドが外れるんやから焦るもんなんちゃうの?
「あいちゃん」
「な、なに?」
「どうして俺があいちゃんを傷つけていると思う?」
「…?」
「そして俺と出会ってから何故夜叉や鬼神になるのでしょーか」
それは私が疑問に思っていることだった。
じゃあわざと?
「なんで…?」
「その答えは神が知ってるよ」
「神が?」
「もちろん俺も答えは知ってるけど、神に聞いて」
「意味…わからん」
頭が混乱しそうになる。
話の魂胆が見えない。
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