fight*girl






「ほらさっさと回収すんぞ」


「う、ん…」





優羽に抱き付いたまま、後ろに振り向いてキメラの最後を見る。


水晶の中に吸い込まれる二体のキメラ。




…―酷い殺し方してごめんなさい。


守れなくてごめんなさい。





それぞれのキメラに謝罪の言葉を送る。


恐らく聞こえることはないけれど。






「一旦帰るか」


「…うん」




水晶を手に持ったままの優羽の体をいたわりながら立ち上がる。


いつの間にか暗雲は無くなっていて、星空に戻っていた。





「ほら肩に手回して」


「カッコ悪い」


「誰も見てへんって」





ブツブツ言う優羽の腕を無理矢理自分の肩に回して大きくジャンプする。


なるべく負担が掛からないように、急いで家へと向かった。









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