fight*girl
「お前あんまこいつに絡むな」
「ん―…あ、もしかしてあいちゃん?!」
優羽の低い声にも気にしないイケイケ君は、何度も覗いて私を見ようとする。
何故名前を知っているのだろう、と私もそろりそろりと顔を出した。
「やー!!!本物じゃん!!!」
「ひぃっ…!!!」
「俺伊音、よろしくね!!!」
「いおん君ね!!!わかりましたっ!!!」
手を握られ、ブンブンと大きく振られる。
腕千切れます!!!
「おい離せ」
「えー…せっかく」
「離せ」
「はいはい」
鶴の一声、と言うのだろうか。
渋々手を離してくれて、再び私は優羽の後ろに隠れた。
「ちなみに俺も優羽と同じ戦士だからっ!!!仲良くしよね?」
「あ、はい…」
暗めの茶色に、軽く長髪の髪に隠れて大きなピアスが見える。
にこっと笑う顔はまるで太陽みたい。
…人間界やったらモテモテやね。
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