fight*girl






必死に剣を構えているけれど、体が震える。


怖いんじゃない、体が逃げろって警告しているんだ。


でも、綺羅から目が離せない。






「天界、どうだった?」


「べ、別に」


「神には会えたよね」





その言葉はとても意味ありげで、私の言葉を催促する。


…綺羅は確信犯。


わかってて、天界に行かせたんだ…。






「…聞いた」


「ん?」


「元々魔神で、綺羅の仲間だったって」


「へぇ…」






その言葉に綺羅は満足げに微笑む。






「じゃあ魔界に帰ってきてくれるよね?」






まるで当たり前かのように聞こえる綺羅の言葉。


思わず剣を強く握り、足に力を込めた。







「…帰らへん」







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