fight*girl
いつもは人で賑わう街は、逃げ惑う人で溢れている。
親と離れて泣く子供
パニックになって笑う人
…頭がおかしくなりそう。
「あれが、キメラ…」
キメラの頭上の建物に私達はそびえ立つ。
風は冷たい筈なのに、何も感じない。
「想像してたわけちゃうけど、グロ…」
「まぁな」
キメラは生物というか、人と何かの組み合わせ…
あれは、犬?
…わからへん。
「戦闘開始」
「えぇっ!!!」
シュッ、と優羽はキメラに向かって降り立った。
それを見て私も急いで降り立つ。
「俺は人間達を守る、お前はキメラを倒せ」
「えっ、ちょっ…」
「ほなな」
逃げ惑う人達に向かって優羽は走って行く。
手を宙に欠いてしまった私は何も出来ず突っ立ったまま。
「グルルルル…!!!」
後ろのキメラを忘れて。
.