fight*girl
私をすり抜けて飛び散る優羽の血は、目の前の私の顔にへばり付く。
赤い目、赤い血。
それを嬉しそうに舌で舐めている。
「くっ…!!!」
「まだ殺さない、魔界に連れて行くから」
「はっ、!!!」
痛みからか、優羽の顔が歪む。
そんな優羽を見ながら私は手のひらから黒い光を生み出した。
「ちょっと我慢してね」
黒い光は輪になり、優羽の体を縛り付ける。
『ちょっ…!!!優羽を離してや!!!』
必死に輪を外したくても手が優羽の体をすり抜けてしまう。
「もういいよ、綺羅」
「はいはい」
私の声は誰にも聞こえない。
そんな私をよそに、優羽を担いだ二人は再び魔界陣に消えていった…―。
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