fight*girl





「は?」




意味がわからず伊音を見る。


するとニコニコ笑いながら俺を見た。





「だってさ、優羽をキメラにしたのってあいちゃんじゃん?」


「!!!」


「普通憎むべき相手なのに、好きになっちゃったんでしょ?」


「まぁ…」


「だから意外だって言ったんだよ」






確かに、俺は最初あいを憎んでいた。


殺したくて殺したくて仕方なかった。






「なんでやろな…」







二度目に会ったときは俺は既に天使になっていて、


あいは天界に捕らえられて無幻に入るとこだった。


…その時のアイツの顔が忘れられなくて。


綺麗な巻き髪に、端麗な顔立ち。


不覚にも一目惚れをしてしまったんだ。





「今のあいちゃんと、昔のあいちゃんは全然違うね」


「本間に、な」





三度目に会ったときには俺のことを忘れていた。


更にはよく泣くし、よく笑うし、よく怒るし。


だから余計惚れてしまったのかもしれない。






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