fight*girl
「はぁー…よかった」
行為が終わると、やっと手首が解放される。
満足そうな綺羅の顔と、放心状態の私。
ただ、涙だけが静かに流れた。
「久しぶりだったね、」
久しぶりも何も、私は何も覚えていない。
それならいっその事、
「もう記憶を戻してよ…」
こんな体で優羽の事を好きでいる資格がない。
だったら昔の自分に戻りたい。
「そうしたいんだけど、案外神の力が強くてさ」
「でも…もうやだ…」
「俺が何回も愛してあげるから」
そっと私を抱き締め、妖しい笑みで私を見つめる。
もう逃がさないよ。
そう言われた気がした。
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