fight*girl





冷や汗が流れたときにはもう遅かった。


ジンジンする手が余計に現実味を与えてくる。


…やばい、やばすぎる。





「お前…」






ゆっくりと魔王が私の顔を見た。


瞳孔がまるで猫みたいになって、私を睨んでくる。


…殺されるかも。





「お前なんだ、その弱々しい力は」


「へ…?」


「まさか今の本気じゃないだろうな」





え?結構っていうか、本気やったんやけど…。


なんか失敗した?





「一応…本気です」


「そうか…アレを見てみろ」





魔王を指差す方角に振り向く。


そこには壁があり、下の方は大きな穴が空いている。


…なんか事故でもあったんかな?






.
< 352 / 505 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop