fight*girl
冷や汗が流れたときにはもう遅かった。
ジンジンする手が余計に現実味を与えてくる。
…やばい、やばすぎる。
「お前…」
ゆっくりと魔王が私の顔を見た。
瞳孔がまるで猫みたいになって、私を睨んでくる。
…殺されるかも。
「お前なんだ、その弱々しい力は」
「へ…?」
「まさか今の本気じゃないだろうな」
え?結構っていうか、本気やったんやけど…。
なんか失敗した?
「一応…本気です」
「そうか…アレを見てみろ」
魔王を指差す方角に振り向く。
そこには壁があり、下の方は大きな穴が空いている。
…なんか事故でもあったんかな?
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