fight*girl
「魔王…何処かに行くんですか?」
初めて私から声をかける。
だってもし人間界だとか天界だったらヤバいし。
約束はしたけど、もし守ってくれなかったら困る。
「死神に会うだけだ、心配するな」
「死神…」
「それに魔王と呼ぶな、気分が悪い」
「…じゃあなんて?」
そう言う私の顎をクイッ、と上げる。
そして目と鼻の先で言葉を発した。
「櫂莉」
「か、いり?」
「そうだ、そう呼べ」
愛莉と櫂莉。
やっぱり名前、似ている…。
「明日には戻る、じゃあな」
「ばいばーい」
「…はい」
見送り、再び食事を始める。
うん、やっぱり美味しい。
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