fight*girl






急いで部屋から飛び出して綺羅の元まで走る。



…やっぱりあれだけは持っておきたい。





「綺羅!!!」


「うわっ!!!な、なに?」


「お願い!!!人間界に連れてって!!!」


「は?」





ベッドに寝転ぶ綺羅の上に乗って、手を合わせる。


しかし、綺羅はあからさまに眉間に皺を寄せて私を睨んでくる。




「ふざけてんの?」


「優羽に会いに行くんじゃないから…」


「じゃあなに?」


「ブレスレットだけ、取りに行きたいねん」


「ブレスレット?」





よっ、と私の腰に腕を回して上半身を起こす。





「ブレスレットなんて買えばいいじゃん」


「あれじゃなかったらあかんねんて…」


「うーん…」





悩む綺羅に猫みたいに擦りよる。


まるで昔の私みたいに。







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