fight*girl





ポタ、




一粒の涙が床へと落ちる。


…殆ど無意識に、私は泣いていた。





「あった…」





キッチンの上に私のブレスレットが置いてあった。


きっと料理をする前に置いたんだっけ。





「なんで…忘れていったんかな…」






夕暮れの光が部屋の中へと入り込む。







優羽の好きだったテレビとソファー。


何度もここで治療してもらったっけ。


そして告白され、嬉しくて。






「優羽…」







そっとソファーに触れ、再び涙を流す。


これで本当の最後。


人間界に帰ってくることはない。







涙を拭いて、立ち上がる。


ソファーから手を離した、その時―…












「あい?」





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