fight*girl





ビクッと体が強張り、再び動けなくなる。


優羽の叫びはまるで気迫。


どうしよう、どうしよう…。





「よかった、無事やったんや…」





安心したかのように、優羽は溜め息をついて近づいてくる。


そして目の前にくると、私を抱き締めた。





「めっちゃ心配してんで?突然居なくなるから」




強く抱き締められているのに、痛くない。


…久しぶりの優羽の温もり。


自然に涙が溢れ出す。





「は?!どっか痛いか?!なんかされたんか?!」


「違っ…」


「怖かったよな?連れ去られて…もう大丈夫やから」





その言葉に心が酷く痛む。




優羽は魔界に無理矢理連れてかれたと思っているんだ。


…違う、違うねん優羽。


そう言いたいのに、涙が止まらなくて声に出来ない。






.
< 377 / 505 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop