fight*girl
ビクッと体が強張り、再び動けなくなる。
優羽の叫びはまるで気迫。
どうしよう、どうしよう…。
「よかった、無事やったんや…」
安心したかのように、優羽は溜め息をついて近づいてくる。
そして目の前にくると、私を抱き締めた。
「めっちゃ心配してんで?突然居なくなるから」
強く抱き締められているのに、痛くない。
…久しぶりの優羽の温もり。
自然に涙が溢れ出す。
「は?!どっか痛いか?!なんかされたんか?!」
「違っ…」
「怖かったよな?連れ去られて…もう大丈夫やから」
その言葉に心が酷く痛む。
優羽は魔界に無理矢理連れてかれたと思っているんだ。
…違う、違うねん優羽。
そう言いたいのに、涙が止まらなくて声に出来ない。
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