fight*girl
バッと優羽の腕からすり抜ける。
零れそうな涙を必死止め、代わりに嘘の笑みを作った。
「行かんって…なんで?」
「悪いけど、もうそっちの仲間じゃないから」
「は…?」
いっそのこと、最低な女を演じればいい。
そうすれば優羽も私を好きでなくなるでしょ?
「やっぱりあいつらになんかされたんか?!」
「仲間に戻っただけ、なにもされてない」
「ふざけんな!!!そんな嘘はいらんねん!!!」
「嘘じゃない!!!」
両腕を掴まれ、目の前で罵倒を浴びる。
しかし私も負けじと言い返す。
「『さようなら』って、うちの意志やから」
「本気で言ってんのか…?」
「もう飽き飽きやねん、正義ごっことか」
優羽、早く私を見捨ててよ。
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