fight*girl





名を呼ばれ、振り返ると同期の伊音。


…と栄子。





「あいは…大丈夫なんかなぁ?」


「……………」





ボロボロ涙を流すのは、いつもの強気の栄子ではない。


伊音もその隣で心配そうに俺を見ていて、





「栄子もう泣くなよ…」


「だってなぁ…!!!あいが…あいがぁ…!!!」


「……すまん」





今の俺には謝ることしか出来ない。


栄子と伊音から必死に顔を逸らし、拳を強く握った。





「優羽、お前も辛いのわかるからさ」


「……………」


「今は人間界に戻りなよ、あいちゃんを待たなきゃ」





人間界に戻る、か。


そうやんな…。


今ここでじっとしてるより、あいつの帰りを待つべきか。


それが今俺に出来る精一杯の事…―。





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