fight*girl






月が出ていた天界とは違い、人間界は未だ夕暮れ。


夕日の光が部屋中を赤く染めていた。





「……………」





部屋の中にはやっぱりあいは居なくて、こんなに部屋が広かったんだと実感した。





カラカラカラ…






「居ない、よな」






久しぶりに入るあいの部屋。


俺の部屋とは違い、やっぱり女っぽい。


化粧道具や、アイロン。


そして壁にはコルクボードがあって俺とあいの写真も貼ってある。






「やべ、泣きそう…」






あいのベッドには、彼女の香り。


たった数日会っていないだけなのに、こんなに悲しくて。


俺はきっと、あいつが居なくちゃ生きていけないらしい。






「ははっ」







乾いた笑いが部屋に響いた。







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