fight*girl






「部屋戻ろ…」





とにかく、これ以上この部屋にいたらおかしくなりそうだ。


立ち上がり、自分の部屋に戻ってベッドに寝ころぶ。


…待つしか出来ないなんて情けない男だな、俺は。





「ペアリング、」





ベッドの上には二つの指輪。


これを買ったとき、あいつめちゃくちゃ嬉しそうで。


それを見て俺も嬉しくなって。


初めて女に買ったプレゼント…。







カタッ…カチャカチャ…







「?」






リビングから音がして思わず起き上がる。


…やべ、ベランダの鍵閉めてなかった。


きっと隙間風が入ったのだろう。


そう思い涙を拭って立ち上がった。








けど、それは大きな間違いで。


リビングには風じゃなくて、変わりに








「あい…?」










愛しい彼女がいた。






.
< 393 / 505 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop