fight*girl
「部屋戻ろ…」
とにかく、これ以上この部屋にいたらおかしくなりそうだ。
立ち上がり、自分の部屋に戻ってベッドに寝ころぶ。
…待つしか出来ないなんて情けない男だな、俺は。
「ペアリング、」
ベッドの上には二つの指輪。
これを買ったとき、あいつめちゃくちゃ嬉しそうで。
それを見て俺も嬉しくなって。
初めて女に買ったプレゼント…。
カタッ…カチャカチャ…
「?」
リビングから音がして思わず起き上がる。
…やべ、ベランダの鍵閉めてなかった。
きっと隙間風が入ったのだろう。
そう思い涙を拭って立ち上がった。
けど、それは大きな間違いで。
リビングには風じゃなくて、変わりに
「あい…?」
愛しい彼女がいた。
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