fight*girl
「?」
今、中から声したよな?
そう思い、再び扉に近づいて耳をぴったりつける。
「死神には後で褒美を送れ、案外役に立ったからな」
―櫂莉?
聞き覚えのある声はまさしく櫂莉で。
そういえばさっき死神見たなー、と呑気に思い出す。
「まぁね、でもそれは終わってからでいいんじゃない?」
櫂莉とは反対に少し高めの声は多分綺羅。
…あれ?綺羅用事あるって言ってへんかったけ。
用事って櫂莉に会うこと?
っていうか櫂莉も用事があるって言ってたよな…?
「そうだな、しかし死神の働きによって天界への道が開けた」
…―天界?
どくんどくん、と心臓が高鳴る。
しかし煩い心臓とは逆に、扉に張り付けた耳は更に研ぎ澄ます。
そういえば忘れていた、私の悪い予感はいつだって―
「時は満ちた、天界を奇襲する」
当たってしまうことを。
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