fight*girl
殴った扉は一瞬で粉々に粉砕される。
砂煙の立つ中、目に入ったのは笑っている綺羅と櫂莉。
そんな二人を睨み付け、ギリ、と歯を重ねた。
「さっきの話どういう事?」
両手に握られた握り拳から血が流れていく。
痛いとも感じない、それだけ怒りに震えている。
「あ、聞いちゃった?」
「聞いちゃった?…じゃないやろ?!答えてや!!!」
ヘラヘラ笑う綺羅に思わず掴みかかる。
それでも綺羅の表情は何も変わらない。
「どっちやねんな?!なぁって!!!」
理性を飛ばしそうになる。
だって、そんな、酷すぎる。
余りにも過酷すぎる。
今なら間に合うから、嘘って言って。
なんやー冗談か、って笑い飛ばすから嘘って言って。
掴んだ事謝るから
ウソッテイッテ
「本当の事だ」
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