Another☆Story
あたしは恥ずかしくてうつむきながらパジャマの裾を握り締めた。
由宇は小さく微笑んで再びあたしを抱き締めた。
「ごめん。無理しなくていいから」
そう言ってあたしに上を向かせるとやさしいキスをしてくれた。
ピンポーーン!
あ!
忘れてた!
あたしはあわてて由宇から離れると玄関に向かった。
「おい…」
由宇の言葉も虚しく、あたしは客のことを考えていた。
ガチャ…とドアを開ける。
「奈央子ーーーー!!!」
その瞬間、玄関にいた客があたしに抱きついてきた。
あたしより大きな体に抱きつかれて支えられなくなり、そのまま二人で倒れこむ。
「きゃ……、いだっ」
「奈央子ってば、まだその色気ない声なの?」
茶色い髪の毛を揺らし、クスクス笑ってあたしを見た。
「し、真……!?」