Another☆Story
ふと寄せられた眉がきれいで、あたしは真に見惚れてしまった。
「そ。彼氏」
由宇は見せつけるように、惚けてるあたしの手に手を絡ませてイチャイチャしている。
「………そんなの、認めない」
「あ?」
「奈央子は俺の婚約者だ。お前が彼氏なんて認めない」
急に冷たくなった口調。
あたしは驚いて目を瞬かせた。
ゆっくりとあたしを見て、由宇の手を払うとキュッと握った。
「奈央子、思い出さない?夕方の公園で俺がおもちゃの指輪をあげたんだ」