Another☆Story
口調はきついのに、声は優しい。
「……ヒック……、ゆ、由宇、あたしのこと、…嫌いになった……?」
喉がひくひく上ずってちゃんと声が出ない。
「どうして嫌う必要があんの?」
「……あたしが不甲斐ないばかりに……」
「何が」
「……ヒック…、い、いろいろ…」
「…あぁ、さっきのこと?
気にしてねーよ」
「……ウェ…?」
「うぇってなんだよ。
奈央子が不甲斐ないのなんか、知ってる」
由宇はそう言ってあたしに近づいた。
「それでも好きになったんだから、そんなことで嫌いになったりしねぇよ」