Another☆Story
結局、由宇は朝まで居続けて新学期早々一緒に登校した。
由宇が先輩の前であたしのことを好きだって言ってくれたから、先輩たちの逆襲には遭わないし、
同じ学年も、蒼依が手を回してくれたから何にもなかった。
だから、堂々と手をつないだり、腕を組んで登校できる!!
……って思ってたのに、当の本人はすたすた一人で前を歩いている。
「え、あ……、ゆ、由宇…?」
「…何?」
首だけ振り返らせて尋ねる。
しかし、今さら手をつなぎたいなんて言うのはちょっと恥ずかしい。
「あ、えっと…、なんて言うか…」
「なんだって」
「…………なんでもない」
やっぱり恥ずかしくて言えなかった。
寂しい手を虚しくいじる。