アイスバーグに託す曖昧
「なに?」と即座に反応する彼女に、

「いや」とだけ返事をして、
平らを見ると期待通りの表情をして笑う。

「猫舌ってね、存在しないらしいよ」

「ルカも猫舌じゃん」

久しぶりにユリが発言した。

「そうなんだけどね、こうやって食べる時に、」

とルカは箸を口元へ運ぶと舌を出して見せ、一旦、箸を置いて、

「舌からつけちゃうから熱いんだって、食べ方の問題らしいよ」

と言った。
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