アイスバーグに託す曖昧
平が、「たしかに、キャバ嬢かホストみたいな名前だね」

と言うと、ユリが気まずそうに会話に参加して、

「本名に決まってるでしょ、ルカは、」と何か言いかけ、

「千秋って、女みたいな名前だよね」とルカが更に煽った。

落としそうになったグラスをキャッチするようなタイミングで、
俺は自分の名刺を彼女に差し出し、彼女を真っ直ぐに見た。
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