アイスバーグに託す曖昧
「ユリ払うよ、お金いくら?」

と、ユリが言うと、平が、

「いいんだよ、仕事絡みの話だし、千秋は稼いでるし」

と俺の肩をたたいた。

「お前が言うな、あのさ」

と言いかけルカを見ると名刺と携帯を交互に見つめ、
どうやら俺の連絡先を登録しているようだった。

携帯をわざとらしく覗き込んでみると、

『千秋ハルキ(黒縁メガネ)』

と氏名欄に打ち込んでいた。
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