アイスバーグに託す曖昧
「超ゴメンナサイ、お待たせしました」

そう言ってルカがやってきた時の印象は、
渋谷辺りにはよくいる、派手な女子大生と言った感じだった。

金髪に近い長い髪をゆるく巻いていて、
体の線などまるで分かりかねる花柄の、
派手なAラインのワンピースを着ていた。

「ユリゲラー、相変らずあんた可愛いね、
もう酔っ払ってんの?もちろんそれ、カシスウーロンでしょ?」

俺たちに敬語で挨拶をしたすぐ後、このようにユリをからかって見せた。

よく、しゃべる女だと思った。
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