女子DEATHヒーロー

 絶対信じたりしない。

 とは言っても、長年一緒に育った兄を全部信じないわけにはいかない。
 というより、どうしても気を抜いちゃう。

 うーん……拓兄にとってあたしって何なんだ!まぁ、拓兄にとったらキスなんて挨拶代わりなアメリカンかもしれないけど。


 HAHAHA!

 はぁ。


 あたしがため息をついていると、腕を引かれた。

「いくぞ」
「あーうん。はぁ」

 央太の顔を見たらまたため息がでた。央太……あたしが何となくちょっとでも、ほんの少しでも一番信じられる男はあんただけだ。

「人の顔をみてため息つくなよ」
「あーごめん。なんか……央太が犬に見えて癒された」
「……犬じゃねぇ!」
「わーんこ」
「わーんこ♪」
「おまえは関係ないだろ!佐々木!」
「わぁこわーい」

 佐々木も参戦。央太は佐々木の胸ぐらを掴んだ。けど、佐々木はまだ央太をおちょくっている。
 仲良いなぁ。あたしも同性の友達と遊びたい。

 あれから那奈とはあんまり話せてない。何だかんだで色々忙しいから……。
 でも、あたしが風紀委員になったら……仲良く出来るんだろうか?

 それに、那奈はあたしの本当の姿をみても大丈夫って感じだったけど……それは本当だったのか。

 考えるとマイナスにいっちゃう。


 やめとこ!


「ご主人様と遊んでるとこを邪魔されて怒ってるんだー」
「なっ!違う!」
「まったまたぁ」

 央太と佐々木はまだまだじゃれてる。……先生とかみんな見てるぞー。言わないけど。ちょっと離れます。


< 103 / 134 >

この作品をシェア

pagetop