女子DEATHヒーロー

 とりあえず、そうだ。


 あたし、何にも見てないよ☆

「……行きましょう」

 委員長に手を貸して立たせると、ステージに向かって歩いた。

 なんだか長く感じた。さっきより緊張する。

 あたしたちは壇上に立つと、当たりを見渡した。

 央太、佐々木、あたし、委員長の順で立つ。
 ……あたしが挨拶しなきゃいけないわけね。

「みなさーん……これから風紀委員はこのメンバーでやっていくのでよろしくお願いします!」

 委員長が来たのに驚く生徒がいっぱい。ちょっと、前から委員長は委員長だったじゃん!

「あいつもかよ」
「あいつになにが出来んだ?」
「脅されてんじゃね?」

 ひそひそ聞こえる耳障りな声。あーウザイ。ウルサい。
 なんちゃって不良だからこそこんなピーピーウルサいんだろうなぁ。


 あー腹立つ。


「あーそうだ。……委員長に何かしたら……」

 絶対にあたしは守る。巻き込んじゃったんだもん。

「……狩るから」

 最大限に凄みを利かせて脅すように言うと、静かになる体育館内。ヒィッて情けない声も聞こえる。

 ……あたし、そんな恐いの?

 なんか複雑。

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