女子DEATHヒーロー
 ドアが開いて現れたのは……あれ?

 茶の髪を高めでお団子にした可愛い子。那奈と反対でしっかりしてて、自然体って感じ?
 親衛隊に入ってなくて大丈夫?って思う。

 初対面なら。

 あれれ?見たことありすぎなんですけど。

「補給完了!」

 入ってきた子は、こっちを見たけど、眼中に無いって感じ。
 那奈もあたしも見てない。見えてない。

 那奈が居なくても話し始めるよ、これ。

「たっだいまぁー!那奈!ちょっと聞いてー!やっぱり休みのお昼はヤバい!食堂も休日だからかカップルばっかりだし、何より!私服デート!あ、でも私は制服がいいな。学生の特権だし。でも、私服でキュンって!キャーキャー!夕方とか夜に体育館裏行ったら××見えるかな!?ス・テ・キv」

 あーこのテンション。懐かしいなぁ。
 でも、なんかレベルアップしてる。

「紗梨」

 あたしはキャーキャー言ってる紗梨の頭をスパーンと叩いた。経験上、紗梨を早く止めるにはこれしかない。
 紗梨は叩いた勢いでソファーに倒れ込んで、後頭部をさすりながら頭だけ上げた。

 オーバーリアクションすぎ!

「はわっ!このスパコーンッな感じは……絢!?」

 紗梨はソファーから素早く立ち上がってあたしの方を向いた。
 さっきとはまた違ったキラキラな目であたしを見る。さっきはどちらかというと、ギラギラな目。

「あやひぃー!!」

 抱き付いてきた紗梨を受け流すと、あたしはため息をついた。
 なんであたしの地元の唯一の友達がこっちに来てるわけ?
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