女子DEATHヒーロー
 紗梨はあたしの中学までの唯一の友達。顔に似合わず……かなりの変人。
 紗梨はいわゆる……腐女子ってやつ。小学校の時から知ってるけど、こいつは中学で突然人格が崩壊した。
 小学校まではみんなの中心に立つような子だったのに、中学1年の夏休みにいきなり変人と化した。

 そうなる前も仲良かったけど、あたしも紗梨も浮いてから2人セットになってかなり親しくなった。
 あたしは望んで浮く人になんてなってないのに……。

 当時はこれと同等か……って凹んだ。

 まぁ、嫌いでは無いけど。

 でも……なんで紗梨がここにいんの?あたしと央太だけのはずなんだけど。

「何でいるのかな?」
「だって、絢灯居ないと寂しいんだもん☆」

 今まで同じ学校に居て顔見せなかったくせによく言うよ。

 全く……理由は分かってる。

「ホントは?」
「女子の入れる男子校だから!生で見えちゃうんだよ?生だよ?生イチャ!」
 だろうね。にしても、なんであたしに隠してたわけ?別に普通に一緒に行けば良かったじゃん!
 一応、感動的な別れをしたはず。プレゼントだってあげたのに。
 ちょっとの涙を返せ!

「紗梨、何で言わなかったのかな?」
「やーん絢灯ちゃんこわーい」
 そう言って那奈の後ろに隠れる。

 もー!思ってもないことを!佐々木の女バージョンだ。このノリは。


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