女子DEATHヒーロー
 生徒会室に向かったはずだった。はずだったのに……あたしは希夜さんの部屋にいた。

 生徒会室に向かうべく猛ダッシュしてたら、寮に帰ろうとしてた希夜さんにぶつかった。
 ほら、希夜さんって鍛えてるからさ……若干意識とんだんだよね。
 そうしたら、心配か何かをされて部屋に連れてかれました。
 向かい合ってソファーに座るあたしと希夜さん。
 何であたしここにいる?
「希夜さん、あたしかなり忙しいんです!」
「知ってる。生徒会だろ?新歓の」
 希夜さん……情報早い。
「そうです。だから、早く行かなきゃ……」
「言ったって無駄だ」

 まぁ、知ってる。でも……言わなきゃさ。

「何されるか分からないんですよ?もし、あたしたちがバラバラになったら委員長が……」
 コワすぎる。何されるか本当に分からない。
 あたしが巻き込んだんだから守らなきゃ……。


「絢」
 希夜さんがあたしの耳元で低く囁いた。
 ひぃっ……。艶めかしすぎます!
「な、なんでしょう?」
 詰め寄られるあたしと詰め寄る夜の帝王希夜さん。この希夜さん苦手だ…。

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