女子DEATHヒーロー

 拓兄と言い希夜さんと言い、最近裏の顔を見せすぎだ!

「あんまり一人で男に近づくな」
「無理です」
「何故」

 周り男ばっかじゃん!央太だって一応男だし、佐々木だって……。風紀委員なんて周り男だもん。
 一人でって……央太とか佐々木とかと一緒にいてもダメだよね……。男だし。
 あたし、女の子と一緒にいること少ないんだけどな。

 それにしても、希夜兄貴の事が全然わからない。

「ちっ」

 希夜さんは舌打ちをすると、ソファーから立ち上がった。
 何で舌打ち?希夜さん意味不明すぎる。

「希夜さん……あたし、行っていいですか?」
 希夜さんにならってあたしも立ち上がる。

「ああ……。最後にいいか?」

 希夜さんに真っ直ぐ見つめられた。鋭い眼光にあたしの身体は硬直する。
 あたしは獲物か!ってツッコミいれたいくらいに、捕食されそうな雰囲気。
 これが希夜さんじゃなければすぐに逃げてた。

 希夜さんの前に来たら誰だって草食動物だよね……。


「お前、拓のことどう思ってんだ?」


「はい?どうって言われても……兄としか」
 血は繋がってないけど兄だし。なんか最近おかしいけどね、拓兄。
「……ほぉ。お前は兄貴とキスすんのか」

 希夜さんはあたしに近付くと、あたしの顎を掴んで顔を近づけてきた。

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