女子DEATHヒーロー
 希夜さんの部屋を出てからあたしは生徒会室に行った。行ったよ?抗議したよ?

 あの会長は口が巧いし誘導に一回ハマるとあれよあれよと話が勝手に進んでしまう。

 もーイヤだ!

『なんであたし達が……』
『最近風紀委員の仕事頑張ってるみたいだね?』
『は?まぁ、程々に……』
『みんなも一目置いてるんだよ?』
『はぁ……。って、新歓の……』
『あ、新歓だったね。説明書き渡すから読むこと』
『あ、はい。って違う!そうじゃなくて……』
『ああ、会いに来てくれたんだ?さて……どうしようかな?』
『だから、話をきいてくださいって!なんであたし達が鬼なんですかっ!!』
『え?……何かな?』
『や、あの、近いんですけど……』
『え?』
『ちょっ……さ、触らないで下さい!
『え?どこに触って欲しいって言ったのかな?』
『あっ!あたし用事思い出した。失礼しましたっ!』

 生徒会長はあたしの意見なんか全然聞いてなかった……。まぁ、あたしも負けず嫌いだから食い下がったけど……身の危険を感じたから仕方なく逃げ出した。
 くっ……不覚!あたしは苦手なんだって……喧嘩腰にこられたら対応出来たのに!

 チキンでごめん、委員長!

 会長に負けてから、風紀委員の仕事そっちのけであたしたちは新歓の対策をたてていた。

 まぁ、隠れて逃げるしかないんだけど。
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