女子DEATHヒーロー
 拓兄はまたタバコを吸いだした。……絶対何か良からぬ事を考えてる。
 あたしは拓兄の方を向いてないけど、背中に視線が突き刺さる。かなりあたしは見られてる。睨まれてる……?

 早く……早く何か言って!
 この間がコワいから!

「絢灯、お前彼氏欲しいんだろ?」
「は?」
 その言葉は予想外だった。
 なんか、もっと……「屋上から飛び降りてこい」とか「100回回ってワンって言え」とか言われると思った。ちなみに、あたしはそれを言われたことがある。

「だろ?」
「別に……」

 って平穏で女の子な毎日!

「も、もちろん?」
 って別に彼氏居なくても平穏に過ごせるじゃん。

 あたしは見てなかったけど、拓兄はニヤリと笑った。

 あれ?はっ!しまった!選択肢間違えた気がする……。こういう時はノーが答えだ。

「じゃあ……付き合ったら何するのか教えてやろうか?」

 あははー……結構です!
 こういう展開かぁ……やっぱり選択肢間違ったー。

 ていうかね、あたし今まであんたらに見せつけられてきたから知ってます!

「遠慮しとこうかなぁ……なんて」
「遠慮すんな。大丈夫だ……今回は見せるわけじゃないからな」
 拓兄はあたしの耳元で囁いた。
 妹に低い甘いエロボイス使うってどうよ?間違ってまーす!激しく間違ってまーす!

 家庭内セクハラで訴えてもいいですか?

 っていうか、見せるわけじゃないって何?
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