女子DEATHヒーロー
「絢灯、どういうことだ!?」

 慌てて後ろを向いた央太が小声で言った。ちなみに、あたしたちは初めから小声で話してる。

「夢じゃない?……あたし寝る」
 夢の中に入る。夢に入って夢から覚めたい。あれ?おかしい気がする。
 とにかく、この現実は受け入れたくない。
「ヤバいって!寝たら標的にされるぞ!」

 えー……。でも、関わらないって言ったしー。あたしと拓兄はこの学校では他人だしー。
 ……なんかイヤな予感だよ。

「今すぐあたしは寝る」
「後からどうなるか……」
 そんなの知らない!し、知らない(泣)
「絢灯、現実を見ろ!」
「あたし、夢の住人になる」

 妖精さんと暮らすんだもん(爆)

「佐伯に鈴木」

 あたしたちは固まった。
 若干の怒りを含んだ拓兄の声。
「お前ら仲良いんだな」
 ちょっと教室内がザワツいた。
 ああ、地味で暗い女の子と顔は良いお馬鹿ヤンキーが仲良いなんておかしいもんね☆
 央太と話すと……平穏な生活から遠のくよね。でも、虫除けになるか。や、ダメか。

 っていうか、仲良くないし!

「先生、勘違いです」
 あたしは冷静に言った。内心ヒヤヒヤしながら。だってね……拓兄から後から覚えとけお前!オーラが出てるんだもん。
 央太は何も言わない。
 うん、言わなくていい。ややこしくなりそうだから。
< 22 / 134 >

この作品をシェア

pagetop