女子DEATHヒーロー
「サンキュ。央太」
 あ、ちょっと涙目になってる。
 痛いだろうね。壊す勢いで投げたもん。……最悪だ。
 別にケータイに依存してないけど、無いと困る。一応持っておかないとね。

 それにしても、拓兄は何がしたいんだろ?あたしからケータイとるなんて。
 でも、なんもメリットないし……やっぱりあたしが落とした?
 中見られてないよね?別に見られてヤバいことなんて無いけど。
 ロックしても難なく開けちゃうだろうな……。あたしって分かりやすいらしいから。
 分かりやすいっていうより、拓兄が分かりすぎなんだよ!

 央太からケータイを受け取ると、壊れてないか確認するために開くと、紙が挟まってた。
 わー……拓兄からだよね?イヤな予感。
 紙を広げると、拓兄の字。さすがセンセーだけあって字はキレイ。達筆だ。

《HR終わったら二人とも寮に行かずに残ってろ》

 二人……央太も?
 
 央太に紙を見せると、イヤそうな顔をした。
 拓兄に見つかったら殺されるって。

「何なんだ?」
「さぁ?」
「お前……1人じゃなくて良かったって顔してるぞ」

 バレたー。2人っきりはイヤだ。色んな意味でさ!

 あたしは話してる拓兄をチラッと見た。センセーに見えなくもない。けど、サングラス外そうよ……。
 そんなことを考えていると、プリントが回ってきた。あたしは後ろから2番目だから、後ろにプリント回すんだけど……後ろの人が居ない。

 早速サボリ?な訳ないか。

 そのとき、あたしは後ろの席の人についてそんなに考えていなかった。
 変な人じゃなければいいなぁって思った位だ。
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