女子DEATHヒーロー
 央太はあたしを一瞥すると、ため息をついた。赤君はあたしに手を振ると、ソファーに座る。
 何、その軽い感じは!あたしじゃなかったら超怒ってたし!あたしは……怒ってないことはない。でも、今はそれどころじゃないし。


「こいつらお前のルームメイトだから」

 さて、問題です。あたしは女です。でも、2人はどう見ても男です。仲間外れはだれでしょう?
 あたしだ!ってか、おかしくない?おかしいよね!

「拓……鈴木センセー!おかしくないですか!?」
 あたしはピシッと手を挙げて言った。
「しょうがねぇだろ。女子の部屋はあいてねぇんだから」

 女子の部屋は食堂がある隣の棟の3階から5階までらしい。今年は結構入ったから開いてないんだって。
 ……女子をもっと入れたいなら作れ(泣)

 だからって……だからって!何であたしが?

「よろしくー絢灯ちゃん♪」
 赤君がソファーから立ち上がってあたしに握手を求めてきた。納得いかない!けど、住むとこがないのは困るし。
 わーあたしって凄くない?適応力高いよ。

「よろしく……」
 あたしが手を出すと、素早く手を取られた。
「オレ、佐々木将。将君って呼んでねー」

 馴れ馴れしすぎる、この男。 予想通りだけどさ。あたし…苦手だ。

「そうだ。絢灯ちゃん良いお尻してるね」

 ……ははっ。そのきれいな顔を殴ってやろうか?
 あたしは拳を堅く握って佐々木を殴ろうとした。央太が腕を掴んでくれなかったら本気で殴りにいってた。
 危ない危ない!

 変態すぎる……!

 佐々木はあたしにジリジリと詰め寄ってくる。近付くなぁー!

「佐々木」
 拓兄があたしと佐々木の間に入った。え、拓兄……あたしをかばってくれるの……?
「もう少し肉がついてた方が良いだろ」

 死ねばいいのに(泣)
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