女子DEATHヒーロー
 センセーはため息をつくと、口を開いた。

「推薦の条件が……女子も受けさせることなんだ」

「……はい?」

 ちょっと頭がついてかない。央太が推薦を受ける代わりに女子1人を受けさせる……?
「あそこの理事長と校長が知り合いで頼まれたらしい」
「何で女子が必要なんですか?男子校みたいなもんなのに」
「男子校だった名残からか女子が男子の三分の一しかいないから女子を増やしたいらしい」

 センセーはそう言うと、あたしの前に晴天丸学園のパンフレットを出した。
 私立晴天丸学園は金持ちの学校だったりする。

 ただ……ヤンキーは居ることは知ってる。あたしの住むところから車で2時間の場所にあるけど、時々晴天丸の生徒が町で暴れ回っているのを見た。
 あたしは関わらないようにしたけどね。
 っていうか、5年前まで兄2人が行ってたから……。うん、関わってない、よー。

「行きたくないです」

 ええ、行きたくないですとも!

「鈴木、頼む!お前しかいないんだ!」
 センセーが頭をテーブルにぶつかる勢いで頭を下げてきた。
 何でセンセーがこんなに必死になるのか……。

「給料が……!」

 あ、やっぱりそれね。

 ていうか、大切な教え子と給料を天秤にかけるってどういうことよ!
 それに、それは生徒の前では禁句!

「央太、何か言うこと無いの?」
 さっきから央太はずっと黙ったままだ。

 なんか腹立つから殴ってあげようか?
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