女子DEATHヒーロー
 入学して数日後の金曜日。
 あたしはいつものように1人で机に座っていた(希望)。

「佐々木、お前そのしゃべり方どうにかしろよ!」
「この口調がオレだしー。これじゃなくなったらオレ、ただのイケメンじゃん」

 自分で言うか、自分で。
 あたしは佐々木のおめでたい性格に呆れながら、心の中でため息をついた。

 本当のことだから本人に向かっては何も言えないけどさ。
 口調はどうにかしてほしいけど。腹の立つ口調だよ、ホント。

 っていうか、何でいっつも2人はあたしを挟んで会話をするの?
 あたしが間の席だから仕方ないのかもしれないけど、いつでも席替わるのに。佐々木は席が元に戻るわけだし。

「央太君も顔は良いんだからその話し方どうにかすれば?コワいんだからさー」
「あぁ゛!?」
 佐々木の言葉に、央太は机に思いっきり拳を叩きつけると言った。
 央太……やっぱりあんたは面白いわ。からかい甲斐がありすぎる。
 あたしが遠い目をしていると、誰かがあたしの前に立った。
「絢灯ちゃん」
「あ、那奈」

 那奈とあたしは仲良くなった。やっぱり良い子だよ、那奈は!もうね、佐々木の視界に入れたくないくらい。

「どうしたの……?」

 控えめに聞くあたし。一応暗い子演技はしてる。あたしは立ち上がって佐々木と那奈の間に入った。

「お昼休みに話聞いてもらっても良い……かな?」
 はにかみながら言う那奈。か、可愛い!佐々木から隠しといてよかった!

「うん、いいよ」

 ありがとう。とバックに花が咲くように笑って那奈は去っていった。
 あたしは昼は央太と佐々木と食べていた。何でだろうねー。あたしは拒否したのに……2人というか、佐々木はあたしから離れない。食堂まで連れてかれるんだもん!央太はあたしと佐々木を見かねてついてくる。

 女の子とワイワイ食事……!夢がっ!中学ではね、噂が一人歩きして女の子から一線引かれてたから(泣)

 女友達は居たけど……なんか違ったし。そりゃもう変わった子だったんだ。

 あたしが居なくなって、人様に迷惑かけてないといいけど……。
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