女子DEATHヒーロー
 佐伯央太とは小中の9年間ずっと同じクラスでやんちゃ仲間。
 敵だったり仲間だったり……親しくないわけじゃない。
 かといって、親しいわけでもない。
 何気に顔のいい央太と居ると女の子がちょっとうるさい。いいなーってオーラが激しくて困る。
 まぁ、苦労人仲間だから、学校以外では結構話す。

「……んー」
「んーじゃないって!」
 自分のことなのにこの人事的な反応なにさ。
「あたしはイヤだから。ってか、何であたし?」
 他にも女の子居るじゃん。選び放題じゃん!
「お前以外に居ないんだ。……やってけそうなのは」

 え、最後小さくて聞き辛いんですけど!バッチリ聞こえましたけど。

「他の女子じゃあ心配だろ?」
「あたしも女子ですけど」
「他の」
「央太うるさい!」
 あれでしょ?あれなんでしょ?狼の群の中に羊を入れちゃうのはダメってことでしょ?
 あたしは羊じゃないって?
「今まで男と対等以上にやんちゃしてきた鈴木なら大丈夫だろ?」

 否定出来ないあたしが悲しい。でも、否定しちゃう。女の子だもん!

「え〜?センセーあたし、か弱い女の子ですよぉ〜?」
 き、きもちわる!自分で言うのもなんだけど。

「か弱い女の子は机の下で足を踏まないだろ」

 あ、無意識のうちに隣の央太の足踏んでた。

「あたしの人生がかかってるからイヤ!」
 平穏な人生は逃したくない!
 もうあんなデンジャラスな日々はいらない……!

「まぁ、鈴木の親御さんには了承を得たけどな」
 ぼそっと言った言葉にあたしは耳を疑った。

 え?あたしの人生を左右しまくる権限のあるあの人たちが良いって言ったの!?
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