女子DEATHヒーロー
 お昼。あたしは中庭で那奈とご飯を食べていた。なんと、那奈は自分で弁当を作ってきてた。
 今日はあたしの分まで……!

 あたしが昼断ったらこの弁当はどうしたんだろ?いっつもご飯を一緒に食べてる子も弁当作ってるらしいし……。
 あたしも作るべき?実は料理得意なんだよね、あたし。

「絢灯ちゃんって頭良さそうだよね。……私、授業ついていけないよだぁ」

 ……まだほとんど進んでないのにね。びっくり。
 こんなこと言っちゃいけないけど、那奈はバカだったりする。
 央太の女バージョン。頭悪くても那奈の愛嬌があれば大丈夫。

「絢灯ちゃんはどっちにつくの?」
 唐突な言葉にあたしは最初は理解出来なかった。けど、あれしかないか。

「私は……。那奈は?」

 あたしはセフレなんかになるつもりはない。だけど、ノーって言えなかった。

「私は……考え中なんだ」
 決まってたらあたしを呼んで一緒に食べたりしないよね……。

「親衛隊の人はどっちもみんな良い人だったし……」
 セフレ集団をみんなは親衛隊と呼ぶ。セフレ集団はイヤだもんねー。
 那奈の話を聞くと、どうやら親衛隊のトップが直々に新入生を誘いに来るらしい。
 ……何で増やしたいのかさっぱり分からない。ライバルは少ない方がいいもんじゃないのかなぁ……。

 ちなみに、あたしは誘われてない。生徒会長とヤン長が資料を見て気に入った順に指名するらしい。一番お気に入りがその親衛隊でその学年のトップになる。
 どうやら那奈はヤン長にとって第一印象が抜群らしい。一日目に誘われたんだって。

 葉月哉は那奈みたいなのがタイプなのね。
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