女子DEATHヒーロー
 しばしの沈黙の後、葉月センパイは顔をあげた。

「どっちにつくか決めたのか」
「は?……いえ、決めて……ません」
 危ない危ない!いきなりのびっくりな質問にウッカリ素をだしそうでした。
 ポカーンだ。

 ヤン長は玉座から立ち上がると、あたしに近付く。あたしは……若干下がっている。
 や、威圧感ハンパないんだもん。あたしの全身が警告を発してる。

「つかないつもりか」

 当たり。でも、言えない。言わない。っていうか、生徒会長といいヤン長といい……何であたしを呼び出す?
 あたしに親衛隊を使ってのお誘いをかけなかったのに……。別に親衛隊に誘われたって入らないけど。
 別にいじけてなんてないから!

「後は……お前だけだ」
 ……!あたしは顔をあげてセンパイを見た。

 あたしだけ?他のみんなは親衛隊に入ったんだ……。那奈も決めたらしいし。

 や、あたし入らないから。関係ないから。……待って落ち着いて、あたし。親衛隊入っても平穏な生活は無理な気がするけど(セフレだし)、入らなくても無理じゃない?寧ろ……浮くじゃん!
 デンジャラスな生活じゃないか……?

 あたしが重大な事に気づくと、カタッて音が器具庫らしき部屋の方から聞こえた。
「哉さん、まだ入ってないやつ2人いるじゃないっすか」
 出てきたのは、水色の髪の人。うーん……ヤン長の仲間か。

「宵、いつから居たんだ?」
「ずーっと。あの一年の女とヤってる時には居ましたー」

 あれは一年だったんだ……。新しく親衛隊に入ったってことだよね?……お盛んですこと。一々相手してて体が持つんだろうか?このヤン長さん。体力ありそうだけど。

 それより、親衛隊入ってない2人が気になるなぁ。仲間っぽいし!
「あいつらは入るつもりがないだろ」
「まぁ……確かにね。この子は?」
 宵とかいう水色頭があたしに近付いてきて、急に頭を掴んだ。
 あぁ!ヅラがずれる!

 水色はあたしの顔をのぞき込むと、微妙な顔をした。ってか、顔近すぎなんですけど。

「……暗っ」
「……ははっ」

 何となく乾いた笑いをしてみました。それより離して。
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