女子DEATHヒーロー
 *水色side*



 あの暗い女が走り去った後、哉さんの顔を見ると顔をしかめていた。
 かなりの迫力。まぁ、なれたけど?

 にしても、あの素早さは普通じゃない。でも、あいつについては謎だ。
 葉月さんのお気に入りの友だちってことくらいしか知らない。

「そういやーあいつと那奈とかいう女、親しいらしいっすよ」
 親衛隊のやつらに聞いた。今年の親衛隊のトップで哉さんのお気に入りはどんなやつか聞いた時に。哉さんと同室の女と仲がいいって。

「親しい奴のえっちーについて言われたからあんな早く逃げたんすかね?」

 それにしても早かった。俺が知らない内に手元から離れてたんだからな。
 でも、あんな暗そうなやつが……。

「宵、鈴木絢灯について調べろ」
「へーい……哉さんは鈴木を親衛隊に入れたいんすか?」

 いくら親衛隊に入ってないのがあと1人とはいえ(実質3人だけど)呼び出すのはおかしい。同室なのに。

「……さぁな」

 今日の哉さんはかなり静かだ。機嫌がいいのか……悪いのか。

 俺はひとまずここを出ることにした。どうせまた、哉さんを慕う新人親衛隊員が来るだろうから。

「鈴木……絢灯」


 個人的にも調べてみる価値はありそうだ。
 俺はニヤリと笑うと、寮に向かった。
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