女子DEATHヒーロー
 でもなぁ……全然思い出せないし。

「今日行くとこ無いんだろ?」
「あ、まぁ……それは、はい」
 あ、心配してくれたのか。……言い方が悪すぎる。
 遠まわしすぎやしないだろうか?

「泊めてやろうか?」

 希夜さんが妖しく笑いながら言った。何か嫌な予感がする。はーいとか言っちゃいけないパターンだ!
 何か思い出しそうなんだけど……本当になんだっけ?

「大丈夫です。あたし、友だち居ますし」
「央太か?」

 あたしの友だち=央太か。でも、央太は同じ部屋だから無理だもん。

「違います!同じクラスの那奈っていう可愛い女の子です」
「那奈?ああ、葉月のとこに入った女か」
 那奈有名なんだぁ。……まぁ、希夜さんはみんなの名前覚えてそうだけど。

「噂だと葉月とその女、今夜……」
「あー!あー!あたしもう行きます!」

 聞きたくないし!っていうか、何でそんなん知ってるわけ?
 友だちの性事情は聞きたくないから。

「嘘。俺がそんなん知ってるわけないだろーが」

 立ち上がったあたしの尻を叩くと、希夜さんは笑った。


 また騙された!っていうか、セクハラ!

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