女子DEATHヒーロー
 拓兄が変装……。絶対バレるだろうなぁ。拓兄は存在感あるからさ。でも、一緒にされても……。

 まぁ、ボロがちょこちょこ出ちゃったのは本当だけど。


「あいつらは素人じゃない。隠れても血のにおいを嗅ぎつけるってことだな」

 希夜さんの言葉に、あたしは妙に納得してしまった。血のにおいかは微妙だけど、たしかに何となく分かるかも。

「絢灯、もう変装はやめろ」
「でも……」
「変装して手に入れた普通は本物か?」

 ……拓兄は苦手だ。痛いとこをついてくるから。
 あたしだって分かってる。変装したあたしと仲良くなった子はあたしの本当をみたら……離れちゃうと思う。
 昔は仲良かった子も離れた。残ったのは……一人だけ。

 そうだよね、危険だもん。
 あの子は本当に変わり者だよ。

「……分かった。でも、急に変装やめるのは」
「わかってるさ。ふさわしい場を用意してやる」

 拓兄がまたあやしく笑った。……なに、ふさわしい場って。
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