女子DEATHヒーロー
「何やってんだよ」
「や、何やってんだって言われても……何もやってないし」
「隙を見せるな!」
まぁ、言い返せない。あたし、すごい隙を見せてたし。
「男は狼だと思え」
「央太大丈夫?」
最近、さらにおかしくなったんじゃない?
もう誰もいなくなった体育館を通り過ぎ、外に出た。
体育館から寮までの道のりを央太に手を引かれながら、説教を聞かされ続けながら歩いてるあたしかわいそう。
声を大にして言いたい。手、離してもいいと思う。
金髪の女とこんな悪そーな奴がこんな風に歩いてても可愛くない。絵的によくない!
これからタイマン勝負かっ。
女の子が那奈だったら可愛い。絶対可愛い。
率先して見に行くくらい見たいような気がする。
あたしが色々考えていると、央太が立ち止まった。
手、離してもいいと思うよ!
「部屋変えた方がいいんじゃね?」
「ん?なんで。別にいいじゃん」
いまさら変えなくとも。めんどうだし。
「じゃあ、もう自分の部屋以外で寝るな、鍵閉めろ」
「部屋以外で寝てないし。央太、あんたは親か」
「ちげーし!おまえな、おまえが……まぁいい」
そう言って、央太はため息をついた。
自分の部屋以外って……共同スペースでは寝てないし。あと、央太の部屋。
央太の部屋はあたしの部屋とみなして、他はないよ!
「絢、ジャイアン的考えは無しだからな」
央太のくせに心読むなんて!
「顔に出てんだよ」
「なによ、あたしがジャイアンみたいな顔ってこと?じゃあ、あんたはス○夫ね」
「ス○夫ってなんだよ!」
「じゃあ、オレはしずかちゃん」
あたしと央太が体育館から寮までの道を歩いていると、佐々木が現れた。
なんでしずかちゃんなの、あんたが。